公開部門委員会
X線による材料の疲労・破壊の研究の歴史と最新の動向

企画

疲労部門委員会,X線材料強度部門委員,破壊力学部門委員会合同

会場

富山大学五福キャンパス
工学部 旧共通講義棟≪106講義室≫

日時

平成28年5月27日(金)13:00〜17:00

趣旨

「X線による材料の疲労・破壊の研究の歴史と最新の動向」と題し,疲労・X線材料強度・破壊力学三部門合同で公開部門委員会を企画いたしました.X線を利用した疲労や破壊の研究について,これまでに研究をされてきた方々への情報提供はもちろんのこと,これまで,あまり接する機会のなかった方々にも,ぜひこの機会にこの分野についてご理解いただき,関心をもっていただけるよう期待しております.そのため,X線材料強度と疲労・破壊の研究者としては第一人者である,名城大学・田中啓介先生に特別講演いただき,また,同じくこの分野の研究に多くの業績をお持ちの2名の先生(神戸大学・中井善一先生、横浜国立大学・秋庭義明先生)からも同分野の研究に関するこれまでと最新の動向についてご講演いただきます.多くの皆様のご参加をお待ちしております.

プログラム

  1. 13:00〜13:30 ビジネスミーティング
  2. 13:30〜17:00 講演および討論

(1) 13:30〜14:40

特別講演 X線・破壊力学による疲労の研究

名城大学 田中 啓介 氏
材料の疲労破壊は,繰返し荷重下で材料中での局所の微視構造欠陥の蓄積によるき裂発生と,そのき裂の進展によってもたらされる.X線回折は材料中の格子欠陥や残留応力の検出法として有力な手法であり,放射光・中性子あるいは電子線回折などとの融合ばかりでなく,トモグラフィとも結合して疲労研究に活用されている.一方,き裂の力学を基にした疲労破壊力学は,DK, DKeff, DJをパラメータとして,長いき裂におけるモードIばかりでなく混合モードにまで適用されている.さらに転位力学とも結合して微小き裂への拡張がなされてきた.ここでは,X線と破壊力学を手法とした疲労の研究について,これまでの歩みと展望について述べる.

(2) 15:00〜15:50

高輝度放射光による結晶粒のミスオリエンテーション評価と疲労き裂のイメージング

神戸大学 中井 善一 氏
本講演では,高輝度放射光施設SPring-8において講演者らが行った研究の一部を紹介する.一つは,回折コントラストトモグラフィ―による疲労過程中の結晶粒のミスオリエンテーション変化の検出である.この方法の特長は,従来の細束X線法やEBSD法では得られなかった材料内部の情報が得られることである.もう一つは,ラミノグラフィーによる疲労き裂の発生,成長過程の観察である.鉄鋼材料の場合,従来のCT法では細線の観察しか行えなかったが,ラミノグラフィーでは板状試験片の観察が可能であり,より現実の部材に近い形状の試料の観察が可能となった.本講演では,内部にき裂が発生するため,メカニズムが十分には解明されていない転動疲労に関して実施した観察結果について述べる.

(3) 15:50〜16:40

量子ビーム利用による材料評価研究の展開

横浜国立大学 秋庭 義明 氏
材料強度の非破壊的な評価法として実験室X線が現場技術として古くから用いられてきた.評価対象は材料極表面に限られるものの,小型の機械要素から大型プラントまでその適用範囲は拡大している.近年では,実験室X線を基礎として従来の実験室X線法では測定困難な材料内部の情報が,高エネルギー放射光や中性子によって取得可能となってきた.また,測定プローブに電子線を用いることによってサブミクロン領域の高空間分解能での応力・ひずみの評価も可能になっている.ここでは,X線材料強度部門委員会における研究成果を中心に,実験室X線,放射光,中性子,電子線等の量子ビームを利用した応力評価例について報告する.

3. 16:40〜17:00 総合討論