公開部門委員会
表面のケモメカニカル効果と疲労強度

企画

疲労部門委員会

形式

現地対面

会場

出島メッセ長崎 会議室103

日時

2024年5月24日(金)13:00〜16:30

趣旨

各種表面処理・トライボロジカル効果によって行われる表面の改質や表面の触媒作用に関係した,新しい材料科学の研究が盛んになりつつあります.常温で起こる窒化などの新しい現象を理解するには機械工学の知識に加えて,化学,物理学,熱力学等の異分野との融合研究が必要不可欠です.そこで,本部門委員会では「表面のケモメカニカル効果と疲労強度」と題した研究討論会を企画しました.表面のケモメカニカル効果を利用する新しい材料機能の事例とその発現機構に関する4件のご講演をいただきます.委員の皆様のみならず,関連分野の研究者及び技術者の皆様の参加をお待ちしております.

プログラム

1. 13:00〜13:30 ビジネスミーティング

2. 13:30〜13:50 R5年度疲労部門委員会部門賞贈呈式

3. 14:00〜16:30 研究討論会
「表面のケモメカニカル効果と疲労強度」

(1)14:00〜14:30
フレッティング面のケモメカニカル効果による一酸化炭素の分解とフレッティング疲労強度の向上

九州工業大学 大学院工学研究院 機械知能工学研究系
准教授 薦田亮介 氏

フレッティングの生じている接触面では,酸化被膜が除去されて化学的に非常に活性な表面が生成される.活性化された金属表面の触媒作用は,例えば比較的安定な分子である一酸化炭素を常温・常圧下で分解することができる.本講演では,フレッティングのケモメカニカル効果による一酸化炭素の分解と,生成された炭素の潤滑作用によるフレッティング疲労強度の向上効果について紹介する.

(2)14:30〜15:00
微粒子ピーニングを利用した金属表面への改質層付与とその疲労特性

静岡大学 工学部 機械工学科
准教授 菊池将一 氏
修士課程 立ヶ谷龍一 氏
修士課程 野口翔太郎 氏

微粒子ピーニングを施した際,金属表面では微粒子の一部が移着する現象が生じる.この微粒子移着現象を積極的に利用すれば,金属表面に様々な元素を付与することができる.本講演では,微粒子ピーニングによる金属表面への窒化層および硫化物層付与に関する取り組みを紹介するとともに,付与された改質層が金属の疲労特性に及ぼす影響について検討を加えた結果を紹介する.

(3)15:15〜15:45
振動圧縮負荷を利用した金属表層の常温窒化技術

北海道大学 工学研究院 機械・宇宙航空工学部門
助教 藤村奈央 氏
博士課程 舩木優大 氏
特任教授 中村 孝 氏
准教授 橋航圭 氏

材料の耐摩耗性,耐疲労性など諸特性を改善する様々な表面改質が研究・実用されており,例えば熱拡散によって窒化層を形成する窒化や塑性変形を用いた手法がある.本講演では,講演者らが開発している,金属表面に振動圧縮負荷を付与することで表層組織を改質する技術Scanning cyclic press:SCPを紹介する.また,SCPを室温の窒素環境中で純チタンに適用した結果,常温で表層に窒化物が形成された事例を示し,従来の窒化との違いを検討した成果を紹介する.

(4)15:45〜16:15
固体粒子の高速衝突を活用した溶かさない溶射技術

東北大学 大学院工学研究科
附属先端材料強度科学研究センター
准教授 市川裕士 氏

溶射は粒子などの原料を高温で溶融させ対象物に吹き付けて皮膜を作る技術であるが,近年はそのプロセスの低温化,衝突の高速化が進み,ついには微粒子を溶かさずに高速衝突させて成膜するコールドスプレー(CS)技術へと発展してきた.CS法は衝突の運動エネルギーを接合という化学反応に変換するプロセスであり,「力学」と「化学」が重畳する現象として捉えることができる.本講演ではこの基本原理を「力学」の側から理解する取り組みについてご紹介する.

(5)(16:15〜16:30) 総合討論


お申込について

参加ご希望の方は,以下のいずれかの方法で回答してください.(1,2推奨)

  1. フォームURL(https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=ANzX4CFG4E-Qsd97G0CzUYdxhyMmqHROhUfsKExy7A9UNEtKQURVRlVIVFEyRDBVVUQ3SzM5VFBLSS4u)で回答
  2. QRコードを読み込んで回答
  3. 庶務幹事(secfatigue@fatigue.jsms.jp)までメールにてご連絡

[参加受付期限:5/7(火)まで]