石膏系中性土質改良材「ジプサンダー」
(技術評価第1009号)

更新認証された評価証明技術

技術名称:  石膏系中性土質改良材「ジプサンダー」
依 頼 者:  石原産業株式会社
認 証 日:  平成21年8月17日
令和元年8月17日(第2回更新)

開発の趣旨

硫酸法酸化チタン製造過程で発生する副産物(硫酸鉄溶液)を有効利用し、石膏系中性土質改良材「ジプサンダー」を開発した。従来の中性土質改良材には無機系固化材、植物繊維系固化材、高分子系固化材などがあり、これらの多くは物理的に吸水して見掛けの状態を改善するだけのものであった。また、化学的に結晶中に水を取り込んで強度を上げるものであっても、材料自体のpHがアルカリ性のために改良土のpHも改良直後はアルカリ性を呈しており、改良土の利用状況によってはpHが中性まで戻らないものもあった。さらに、ジプサンダーと同様に石膏を主成分としたものであっても、原料となる石膏の種類によっては、材料自体からふっ素が環境基準を超えて溶出する場合がある等の問題があった。本開発においては、建設工事等で発生する泥土や軟弱土に対して短時間で適度な強度を発現可能で、原土のpHを大きく変化させることなく土質改良できる環境負荷の低減が可能な材料の提供を目的とした。

開発の目標

  1. 泥土や軟弱土に対して所定の添加量のジプサンダーを混合することにより、第2種改良土〜第4種改良土に改良できること。
  2. 改良土のpHが原土に対して大きな変化がないこと。
  3. 有機物を含む底質土等を改良する際、改良土からのアンモニアガスの発生を抑制できること。
  4. ジプサンダーまたはジプサンダーで処理した改良土から六価クロム、ふっ素が環境基準を超えて溶出しないこと。

技術評価

技術評価委員会により、評価証明の方法に照らして評価した結果、「ジプサンダー」は開発目標に相応する性能を有することが証明された。詳細については、同技術の技術評価証明報告書に記載されている。