公開部門委員会
大型構造物の非破壊検査

企画

破壊力学部門委員会

形式

現地対面およびオンライン開催

会場

大阪科学技術センター 700号室(7F)

日時

2022年5月29日(日)13:00〜16:40

趣旨

国内での水道橋崩落事故や海外における大規模な落橋事故などが世間を騒がせています.このような社会基盤となる大型構造物の安全性確保は重要な課題です.これらの構造物の損傷状態を把握するために非破壊検査が活用されています.老朽化した構造物が今後飛躍的に増加することや労働人口の減少などを受け,より革新的な検査技術が求められています.そこで「大型構造物の非破壊検査」と題した研究討論会を企画しました.非破壊検査および評価手法に関する最新の研究成果や取り組みについて3件のご講演をいただきます.本テーマに興味を持つ幅広い分野から多数の皆様のご参加をお願い申し上げます.

プログラム

  1. 13:00〜13:20 ビジネスミーティング
  2. 13:30〜16:40 講演および討論

(1) 13:30〜14:20

赤外線サーモグラフィ試験による鋼構造物の疲労き裂検出および補修効果の評価

神鋼検査サービス株式会社 遠藤 英樹 氏

日本国内では産業インフラに対する設備投資が圧縮されており,鉄鋼業でもクレーンなどの付帯設備の一部は高度成長期時代の設備を使い続けているものもある.今後も安心して操業を続けるために,我々は天井クレーンを対象として,疲労き裂の検出および検出したき裂の補修効果の評価を行う手法を開発した.本報告ではこれらの事例を紹介するとともに,今後の課題について論じる。

(2) 14:30〜15:20

ガイド波を用いた非破壊検査 ― 大型構造物から三次元積層造形体まで ―

大阪大学 林 高弘 氏

ガイド波は,固体材料に沿って伝搬する弾性波の総称であり,そのユニークな特性からこれまでには無い非破壊検査への応用展開が期待されている.特に,ガイド波が伝搬しやすい薄板構造やバルク体の表層などの検査・評価に有効であり,本発表では配管や鉄道レールといった大型構造物の非破壊検査から,三次元積層造形体のin-situでの非破壊検査の取り組みを紹介する.

(3) 15:30〜16:20

橋梁用ケーブルの健全性診断のための磁気的非破壊評価

京都大学 塚田 和彦 氏

吊橋や斜張橋などの構造物に主要な部材と用いられている鋼製ケーブルでは,当初は想定もされなかった年数で腐食劣化が進行している例も皆無ではない.また,それら供用中のケーブルにおいては,張力が設計のとおりに維持されているか否かが,構造全体の安全性評価においてとくに重要である.ここでは,鋼製ケーブルの腐食劣化を定量的に評価することができる磁気的非破壊検査の方法と,磁気応力効果を利用した鋼製ケーブルの張力測定法について,実際の検査・計測事例とともに紹介する.

(4) 16:20〜16:40 総合討論