高分子材料の耐久性および環境対応に関する講習会
開催日 令和7年11月19日(水)
主催
日本材料学会
協賛(予定)
化学研究評価機構,化学工学会,紙パルプ技術協会,強化プラスチック協会,近畿化学協会,高分子学会,自動車技術会,繊維学会,電気学会,日本化学会,日本機械学会,日本建築学会,日本合成樹脂技術協会,日本ゴム協会,日本材料科学会,日本接着学会,日本繊維機械学会,日本塑性加工学会,日本電子材料技術協会,土木学会,日本複合材料学会,日本レオロジー学会,日本界面学会,プラスチック技術協会,プラスチック成形加工学会,マテリアルライフ学会
日時
令和7年11月19日(水)10:00〜16:25
会場
オンライン開催
趣旨
高分子材料は,金属材料および無機材料と並ぶ三大材料の一つとして,工業の広い分野で使用されています.しかし,高分子材料は他の二者の材料と異なり,その特性が使用環境条件によって多様な経時変化を示す特徴を持っています.このため,その耐久性の評価や寿命の予測は,信頼性のある製品設計や高性能材料の設計などを行うに際し,重要な問題となってきます.また,使用後に破棄された高分子材料の環境負荷が問題となっており,それらへの対応が必要となっています.そこで,高分子材料の耐久性評価に関する基礎と応用および環境負荷に対する対応について,それぞれの専門の方にご講演いただく講習会を企画いたしました.多くの方の参加を期待いたします.
プログラム
(10:00〜10:05)
日本材料学会 高分子材料部門委員会 委員長挨拶
(株)カネカ
竹田 正直
- (10:05〜11:05)
海域に浮遊するマイクロプラスチックの現状について九州大学 応用力学研究所
磯辺 篤彦Atlas of Ocean Microplastics(AOMI; https://aomi.env.go.jp/)データベースには,13000ほどの海洋表層曳網調査で得られた全球における浮遊マイクロプラスチックの現存量が収録されている.このデータベースは環境省が公開しているもので九州大学の海洋プラスチック研究センターがデータの品質管理と加工を行っている.データベースをもとに,浮遊マイクロプラスチックの現状と将来について解説する.
- (11:05〜12:05)
物理劣化・物理再生理論に基づいたプラスチックの高性能化・高度リサイクル化福岡大学 名誉教授 八尾 滋
リサイクルプラスチックの物性低下の主要因は,過度な成形履歴が引き起こした絡み合いの減少とそれに伴いタイ分子数が低下したことによる物理劣化である.またこの物理劣化は,溶融時に絡み合い数が回復・増大する自己再生能力を活かす物理的な処理で再生することができる.この物理劣化・物理再生理論を活用することでリサイクルプラスチックだけでなく,バージンプラスチックを用いた成形でもこれまで以上に力学的かつ耐久性に優れた高品質の製品成形が可能となる.本講演ではこの原理について,実例を交えて解説する.
- (13:00〜14:00)
プラスチック製品の長もち研究〜温水用ポリエチレン管の長期耐久性評価〜(株) KRI 解析研究センター センター長
本間 秀和カーボンニュートラルにおけるプラスチック削減は重要な課題であり,リサイクルや耐久性向上は必須な課題である.特にポリエチレン管は水道管やガス管といったインフラ設備で大量に使用されており,住宅における配管としても耐久性や劣化状態の評価は重要である.この発表ではプラスチックの劣化評価手法について紹介しながら温水用ポリエチレン管を1万時間以上で耐久試験して得られた劣化因子とその機構について研究した結果を紹介する.
- (14:00〜14:45)
プラスチック用添加剤の機能と実用における注意点(株) ADEKA樹脂添加剤開発研究所 所長
石川 慎一プラスチックは軽量,加工性に優れることから様々な用途に展開され,今では調理器具から輸送関連,家電,自動車などのあらゆる分野で無くてはならない存在である.これらの用途拡大においてプラスチック用添加剤は重要な役目を果たしており,光や熱,金属接触などによる劣化を抑制することでプラスチックを長寿命化させる,物性や透明性向上などの機能付与により金属やガラスの代替を実現可能にするなど貢献している.本講演では,劣化を抑制するプラスチック用安定剤の実用における役割及び注意点を述べると共に,物性向上,難燃や帯電防止性などの機能付与剤,また,どの様にプラスチック添加剤がサーキュラーエコノミーに貢献できるか等についての紹介も行う.
- (14:55〜15:40)
プラスチック製品を長く安全に使うための技術東京都立産業技術研究センターエンジニアリングアドバイザー
(元)(株)ブリヂストン 町田 邦郎プラスチック製品を長く安全に使うためには,寿命予測に基づく製品設計と故障を未然に防ぐ健全性評価が必要である.温度と時間が等価である性質(温度時間換算則)を利用した高分子材料の疲労寿命予測法と,安全性を確保するため稼働している装置に発生した亀裂や材料劣化を検出する非破壊検査法について紹介する.
- (15:40〜16:25)
ケミルミネッセンス(CL)を利用した酸化劣化評価東北電子産業(株) 東京支店 佐藤 哲
目には見えない微弱な光を検出することで有機物の初期の酸化劣化を測定するCL法について,原理や測定事例を中心に説明する.2018年1月にJIS7351,2022年4月にISO4765に制定された本手法は製品開発から品質管理,リサイクル材評価まで幅広く利用されており,光劣化をさせながらのCL測定や寿命予測なども紹介する.
定員
100名
参加費
(テキストpdf代を含む)
一般 | 学生 | |
---|---|---|
会員 | 25,000円 | 5,000円 |
非会員 | 30,000円 | 8,000円 |
(会員は協賛団体を含みます.)
申込方法
ホームページ(https://www.jsms.jp/)からお申し込み頂き,郵便振替または銀行振込でお支払い下さい.請求書等の書類が必要な方はその旨お知らせ下さい.なお,ホームページにアクセスできない方は参加申込書(随意用紙)に氏名,連絡先(TEL,FAX,E-mail等),所属団体名を明記し,FAXまたは郵送でお申し込み下さい.
申込締切
令和7年11月5日(水)
問合せ先
〒606-8301 京都市左京区吉田泉殿町 1-101
日本材料学会「高分子材料の耐久性および環境対応に関する講習会」係
TEL: 075-761-5321 FAX: 075-761-5325
E-mail: jimu@office.jsms.jp
郵便振替:01000-1-26625
(口座名義 公益社団法人 日本材料学会)
銀行振込
みずほ銀行出町支店 | 普通No.1005419 |
三菱UFJ銀行出町支店 | 普通No.0006978 |
三井住友銀行四条支店 | 普通No.1002445 |
ご注意
- 講師その他にやむを得ない事情が起きた場合,プログラムの一部を変更することがありますので,予めご了承下さい.
- 参加費の払い戻しは致しません.
- 本講習会はZoomもしくはWebexによるオンライン開催です.
1)必要なPC等の機器およびインターネット接続環境は各自でご準備ください.
2)当日,講習会開始30分前にオンライン講習会を立ち上げます.本会から電子メールでお送りする講習会のURLをクリックしていただくことで,参加者名簿と照合後,講演会に参加できます.
3)オンライン講習会への参加は,申込1件につき1名です.参加に必要なURL等の情報は他者に漏らさないでください.また,不特定多数がいる場所でのご参加は避けてください.
4)講習会画面の録画あるいは撮影,音声の録音等の行為は固くお断りします.
※講習会参加の申込の際にお届けいただいた個人情報は,日本材料学会の事業運営のみに使用させていただきます.